先日、パスシールの企業経営理論の模擬試験を受けました。結果は正直、伸びしろだらけ。でも、この点数そのものより、解いている最中に感じた「あれ、これ知ってるはずなのに」という戸惑いの方が、今の自分にとってはずっと大事な気づきでした。今日はその話を、同じように診断士を目指している方に向けて書いてみます。
「知ってる」と「使える」の間にある距離
企業経営理論という科目は、用語だけならどれも聞き覚えがあります。マズローの欲求段階説、アージリスの理論、リッカートの理論……テキストを読んでいるときは「うんうん、わかる」と頷きながら読み進められます。
でも模擬試験の選択肢を前にすると、それぞれの理論がどこで交差し、どこで違うのかを問われます。ここで初めて、自分が「言葉を知っているだけ」で「理解して使いこなせていない」ことに気づかされました。
たとえば動機づけの3人は、似ているようで見ている角度がまったく違います。
- マズローは個人の欲求そのものの構造を段階的に説明する
- アージリスは組織構造と個人の成熟のあいだに生まれる摩擦を扱う
- リッカートはリーダーシップ・経営スタイルの類型として整理する
3人とも「人には高次の欲求がある」という前提は共通していますが、切り口がまるで違う。テキストを読んだだけの状態では、この「切り口の違い」までは頭に入っていませんでした。
消費者購買行動のモデルも同様です。用語としては知っていたつもりでも、いざ「拡大的問題解決」「限定的問題解決」「定型的反応行動」がどう区分され、購買行動プロセスのどの段階に対応するのかを問われると、途端に手が止まりました。
この経験が診断士としての姿勢につながると感じた理由
正直、模擬試験の結果だけを見れば落ち込む数字です。でも、この「わかったつもりだった」という気づきこそ、診断士として支援する側に立ったときに一番大事にしたい感覚だと思っています。
実際の中小企業の経営課題は、教科書のように綺麗に分類されていません。「このケースはマズロー的な話なのか、アージリス的な組織構造の話なのか」を正確に見極められないと、的外れな処方箋を渡してしまいます。模擬試験で選択肢に迷うのは、まさにその見極める力が今の自分にまだ足りていない、というサインなんだと受け止めています。

これからの取り組み方
- フレームワークは単語で覚えるのではなく、「なぜその理論が生まれたか」という背景から理解し直す
- 過去問は単年度ではなく複数年度を横断して解き、同じ論点が違う角度で問われるパターンに慣れる
- 通勤時間などの隙間時間で、パスシールの講義を聞き流しながら知識の骨組みを作る
同じように「わかったつもりで終わっていないか」と感じている方がいたら、一度立ち止まって用語の背景から理解し直す時間を作ってみることをおすすめします。急がば回れ、です。
まだ9回裏、逆転はこれからです。
