「NISAって聞いたことはあるけど、正直よくわからない」——そんな声、職場の同僚からもよく聞きます。かくいう私も、本格的に向き合い始めたのはここ数年のこと。50代になってから慌てて勉強を始めた口です。
でも野球だって、9回裏に逆転満塁ホームランが出ることもあります。資産形成も同じ。始めるタイミングに「もう遅い」はありません。今日は、私が実際にたどり着いた考え方と、今のポートフォリオの組み方を、包み隠さずシェアしたいと思います。
新NISAの基本をおさらい
まずは制度のおさらいから。新NISAには2つの投資枠があります。
- つみたて投資枠:年間120万円まで
- 成長投資枠:年間240万円まで
この2つは併用でき、合計で年間360万円まで投資可能です。さらに生涯の非課税保有限度額は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)と決まっていて、非課税で保有できる期間に期限はありません。じっくり長期で置いておける制度になった、というのが旧NISAからの大きな変化です。
制度の細かい話は証券会社のサイトに譲るとして、ここからは「50代の自分が、実際にどう使っているか」という実践編です。
私が「オルカン一本化」に落ち着いた理由

以前の私は、つみたて投資枠でTOPIX連動型のファンドと、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー、通称オルカン)を並行して積み立てていました。「日本にも、世界にも分散できて一石二鳥」——そう思っていたのですが、あるとき気づいたんです。オルカン自体にすでに日本株が5〜6%程度組み込まれている、と。
つまり、TOPIXファンドを別に持つことは「分散」ではなく「重複」だったわけです。これに気づいてからは思い切ってTOPIXへの新規拠出をやめ、つみたて分はすべてオルカン一本に集約しました。
銘柄を減らすというのは地味な決断に見えて、実は50代からの資産形成ではけっこう大事な視点だと思っています。現役時代は忙しく、細かくポートフォリオを見直す時間なんてなかなか取れません。「シンプルにして、あとは放っておける形」に整えておくことが、結果的に長続きのコツになる気がしています。
DC年金との役割分担も忘れずに
もう一つ、50代ならではの視点として意識しているのが、NISAと企業型DC(確定拠出年金)の役割分担です。私の場合、DC年金は新規拠出分を外国株式インデックスファンドに全振りする形にして、退職まで続ける方針にしています。
NISAが「自分の意思で機動的に動かせる非課税の器」だとすると、DC年金は「税制優遇を受けながら、長期でどっしり構える器」というイメージでしょうか。どちらも似たような世界株式インデックスに寄せてはいますが、器としての性格が違うので、両方をバランスよく使う意味はあると考えています。
「増えるかどうか」より「続けられるかどうか」
将来のリターンについては、正直なところ誰にも断言できません。私自身は3%〜7%くらいの幅で複数のシナリオを想定し、退職後の資産推移をざっくり試算していますが、これはあくまで「心づもり」のための目安です。相場が良い年もあれば悪い年もある——そのくらいの構えで見ています。
このあたりは断定的に「絶対こうなる」と言えることではないので、あくまで一つの考え方として、軽く参考にしていただければと思います。大事なのは、暴落が来ても慌てて積み立てをやめないこと。そして自分の生活設計に無理のない金額で続けることだと感じています。
50代からNISAを始める・見直す人へ
もし今から新しく始めるなら、あるいはすでに始めていて「なんとなく複数の商品を持っている」状態なら、一度「重複していないか」「本当に必要な数か」を点検してみることをおすすめします。私自身、TOPIXとオルカンの重複に気づくまで結構な時間がかかりました。
証券会社によってNISA口座の使い勝手や取扱商品、ポイント還元などはそれぞれ特徴があるので、口座選びに悩んでいる方は各社の比較記事も参考にしてみてください(このあたりはまた別記事でじっくり書きたいと思っています)。
人生も資産形成も、勝負は9回裏から。慌てず、しかし手は止めず、今日もコツコツ送りバントを重ねていきましょう。
この記事を書いているのは、FP&Aを30年、現在は中小企業診断士の取得を目指して勉強中のやまおです。詳しい経歴はプロフィールをご覧ください。
